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651.顔の湿疹の漢方治療

症例は41歳、女性です。
平成28年3月頃より、顔にニキビ様のぶつぶつが出現し、夜間にチリチリとかゆいため、近くの皮膚科を受診したところ、ステロイドを処方され、1度塗ったところよくなったが、その後赤く腫れあがったそうです。
そこで今度は、ヒルドイド軟膏とビタミン剤を処方されたそうですが、それも無効で、「もう何も塗るな。」といわれたそうで、平成29年1月19日当院を受診されました。
身長158.0cm、体重51kg、BMI19.5。
他の症状として、顔がむくむ・頭痛・肩こり・手足があれる・のぼせる・めまい・青あざができやすい・生理前にふらふらとめまいがしたり、嘔吐するなどがあります。
この方の舌を見ると、色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血」(おけつ)体質を認めました。
温清飲(うんせいいん;症例605参照)桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん;症例67参照)を合わせて処方したところ、2月20日に来られ、「顔のぶつぶつもほとんど消えて、きれいになりました。生理前の体調不良もなくなりました。」といわれました。

類似症例については、症例605、632、720、744も参照下さい。

漢方がお役に立ててよかったです。

652.冷え・便秘・肌荒れ・肩こりの漢方治療

症例は41歳、女性です。
上記症状の改善を求めて平成28年11月15日当院を受診されました。
身長164.0cm、体重52kg、BMI20.4。
他の症状として、胸やけ・腹が鳴る・口内炎ができやすい・口の中が苦い・めまい・立ちくらみ・手足の冷え(若い時しもやけができていた)・生理不順(少ない、短い)・痔などがあります。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
手足の冷えに当帰四逆加呉茱萸生姜湯 (とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう;症例92参照) と体を温めるブシ末 を胸やけなどの胃の不調に茯苓飲(ぶくりょういん;症例463参照 合わせて1ヶ月分だしたところ、12月14日に来られ、「過食で、甘いものがやめれません。」といわれましたので、茯苓飲を中止し、むくみ・便秘・肌荒れ・肩こり・冷えに九味檳榔湯(くみびんろうとう;症例150、345、346、348、349、406、422、476、581、638参照)を処方したところ、平成29年1月10日に来られ、「便通もだいぶ良くなり、体調もいいです。ただ肌荒れが気になります。」といわれましたので、眠前に桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん;症例67参照)を追加したところ、2月20日に来られ、「肌の調子がとてもいいです。他の症状も落ち着いています。」といわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。

653.生理前の体調不良の漢方治療

症例は40歳、女性です。
毎年、花粉症に麻黄附子細辛湯(まおうぶし さいしんとう;症例49参照)を処方しています。
今年も平成29年2月18日に取りに来られましたが、その時に、「生理1週間前が体がしんどく、また肩凝り・頭痛もひどくなります。」といわれました。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
麻黄附子細辛湯と桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん;症例67参照)を合わせて処方したところ、3月22日に来られ、「しんどさがとれ、とても体調がよくなりました。」といわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。

654.成長痛の漢方治療

次の症例は症例460の方(8歳8ヶ月;女児)です。
その後ずっと安定していましたが、平成29年2月21日、薬を取りに来られた時にお母さんが、「小さい時から手足がよく痛いといいます。週1回ぐらいで、月曜の夕方から出ることが多いです。痛みで夜が寝られず、寝たとしてもすぐ目が覚め、私が夜中にさすってやります。」といわれましたので、今までの甘麦大棗湯に加えて、成長痛によく使う(下記参照)柴胡桂枝湯(さいこけいしとう;症例39、66、152、155、363、432、484、551参照)を合わせて処方したところ、3月16日に来られ、「痛みをあまりいわなくなりました。」とお母さんがいわれました。
6月1日には、「ほとんど痛みを言わなくなりました。ただ、飲んでいると体調がよさそうなので、続けます。」とお母さんがいわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。

成長痛については、こちらをクリック画像の説明ヘルスケア大学

成長痛と柴胡桂枝湯

成長痛の第一選択薬は、柴胡桂枝湯です。
亡くなられた広瀬滋之先生が、「証を考慮しなくてもよく効く処方として、成長痛に柴胡桂枝湯と桂枝加朮附湯を挙げられていますし、第41回日本東洋医学会東海支部学術総会でも、『柴胡桂枝湯が有効であった右膝のオスグッド病(成長痛)の一症例;古橋健彦(神谷医院)』の発表があります。

655.不妊症の漢方治療

症例は35歳、女性です。
結婚4年目になります。3年前に婦人科を受診したところ、「排卵がうまくできていないので、タイミング療法(下記参照)しかない。」といわれています。
生理も不順なため(月に2回来たり、今回は13週あいたりする。)、知人の紹介で、平成28年8月31日、姫路市より受診されました。
他の症状として、肩こり・風邪をひきやすい・疲れやすい・手足のしびれなどがあります。
身長158.5cm、体重47.0kg、BMI18.7とやせぎみです。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん;症例14、158、241、249、254、265、330、338、339、387、400、401、423、452、488、495、497、508、518、531、552、566、567、575、600、608、649)補中益気湯(ほちゅうえっきとう;症例15、166、267、285、328、370、407、410、413、425、442、449、465、476、511、512、551、583、604、625、648参照)と強壮・強精作用のあるコウジン末(;症例449参照)を合わせて一ヶ月分処方したところ、9月30日に来られ、「生理は8/27~9/1、9/8~9/13、9/25~9/30の3回ありました。疲れやすいのは少しましです。」といわれました。10月27日に来られた時には、「生理は10/10~10/15の1回でした。疲れもましです。」といわれました。11月28日に来られた時には、「今回は生理が来ませんでした。念のため婦人科受診してエコー検査をしてもらいましたが、異常なしでした。体温は少し上昇しています。」といわれました。平成29年1月13日に来られた時には、「生理は12/22~12/26の1回でした。体調はいいです。」といわれました。
そして、3月16日に来られた時に、「妊娠しました(7週)。最終月経は1/19です。」といわれました。
3月29日に来られた時には、「順調ですが、便秘気味です。」といわれましたので、大建中湯(だいけんちゅうとう;症例44、123、396、499、585、620参照)を追加したところ、4月19日に来られ、「便通もいいです。」といわれました。

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タイミング療法については、こちらをクリック画像の説明子宝ねっと

656.おでこ中心のにきびとしもやけの漢方治療

次の症例は症例574の方(15歳;女性)です。
そのまま同処方を続けられて、平成29年3月13日に来られた時に、「今年は寒かったのに、しもやけは全くできませんでした。下痢もなく、にきびも出ません。」といわれました。
しもやけといえば、当帰四逆加呉茱萸生姜湯です(症例93参照)が、十味敗毒湯が効くのは初めての経験でした。
このまま続けていただく予定です。

漢方がお役に立ててよかったです。

657.肩こり・頭痛の漢方治療

症例は53歳、男性です。
肩こり・頭痛の漢方治療を求めて、知人の紹介で、平成29年2月23日、加古川市より受診されました。
他の症状として、下痢しやすい・のどが痞える・口内炎ができる・頻尿・汗をかきやすい・風邪をひきやすい・体がだるい・疲れやすい・のぼせやすい・動悸がする・手足の冷え・気分が沈むなどがあります。
身長172cm、体重76kg、BMI25.7とやや肥満気味です。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。
茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう;症例50、402、432、440、463、515、542、550、555、558、565、577、585、594、599、602、603、626、638参照)葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう;症例12参照)を合わせて一ヶ月分処方したところ、3月17日に来られ、「薬を1包飲んだらスーと血が流れるような感じがして、首が締まるような感じや肩こりの症状がとれました。」といわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。

658.腰痛・右坐骨神経痛の漢方治療

症例は68歳、女性です。
半年前より、腰痛・右坐骨神経痛(腰から大腿部にかけての痛み)があり、知人の紹介で、平成29年1月27日、受診されました。
他の症状として、便秘・夜間頻尿・頭痛・肩こり・体がだるい・疲れやすい・足があつくなり、外へ出さないとおれない(症例530と下記参照)・夜中に目が覚める・ねつきが悪いなどがあります。
身長172cm、体重76kg、BMI31.2と肥満を認めます。
八味地黄丸(はちみじおうがん;症例42、58参照)疎経活血湯(そけいかっけつとう;症例1参照)を合わせたところ、2月25日に来られた時には、「あまり変化ありません。」といわれました。さらに続けたところ、3月29日に来られ、「今まで一日中痛んでいたのが、朝起床時に少し痛むだけになりました。足のほてりもおさまりました。」といわれました。

八味地黄丸証では、下半身の症状が多く現れます。
排尿異常があり、下半身が冷えます。寒がりなのに足の裏はほてるので、布団から足の裏を出さないと眠れません。
また腰以下のしびれや痛み、下腹部の知覚鈍麻や腹力の低下もあります。
その他、口の乾き・足のむくみ・精力減退・かすみ目や・咳痰もち・耳が遠いなど、高齢になると出現しやすくなる症状が多いです。

漢方がお役に立ててよかったです。

三潴忠道先生によると、
手のひら(手掌)のほてり…温経湯
足の裏(足蹠)のほてり…八味地黄丸
両方(掌蹠)のほてり…三物黄芩湯、小柴胡湯、小建中湯、茯苓四逆湯

だそうです。

659.頸椎ヘルニアの漢方治療

症例は57歳、女性です。
頸椎ヘルニアのため、右手の第2・3指のしびれや痛みがあるため、平成28年10月11日、姫路市より漢方治療を求めて受診されました。
他の症状として、足がむくむ・肩こり・体がだるい・疲れやすい・耳鳴り・めまい・手足の冷え・青あざができやすいなどがあります。
身長155cm、体重50kg、BMI20.8。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。また色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう;症例15、166、267、285、328、370、407、410、413、425、442、449、465、476、511、512、551、583、604、625、648、655参照)疎経活血湯(そけいかっけつとう;症例1参照)と体を温めるブシ末 を合わせたところ、11月10日に来られ、「しびれや痛みはずいぶんましです。体のだるさや疲れやすさもましです。めまいもでません。」といわれました。そのまま続けたところ、平成29年1月23日に来られ、「疲れた時や、朝に少ししびれるくらいです。調子がいいので1日1回にしてもいいですか。」といわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。

本症例では、右手の第2・3指のしびれや痛みがあるので、下の図からするとC7(第7神経根)が圧迫されていると推定できます。

画像の説明
図出展;blog-imgs-67.fc2.com/m/e/d/medicaldataarchive/20140516223626581.jpg

660.二人目不妊の漢方治療

症例は34歳、女性です。
平成27年3月に第1子を出産してから、2人目ができないため、平成28年10月24日、赤穂市より漢方治療を求めて受診されました。
他の症状として、軟便・胃がもたれる・頭痛・肩こり・にきび・イライラする・腰痛・手足の冷え・夜中に目が覚める・生理周期が短い・生理痛・だらだら出血するなどがあります。
身長155cm、体重50kg、BMI20.8。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。また色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
六君子湯(りっくんしとう;症例97参照)加味逍遥散(かみしょうようさん;症例141参照)を合わせて処方したところ、11月22日に来られ、「生理周期が少し伸び、生理も3~4日で終わりました。胃もたれも軟便も治りました。」といわれました。12月17日に来られた時には、「今回は基礎体温があがりませんでした。」といわれましたが、平成29年2月24日に来られた時に、「1月末に妊娠しました。」といわれましたので、漢方薬を当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん;症例14参照)に切り替えさせていただきました。

漢方がお役に立ててよかったです。
二人目不妊については、症例706にも載せております。

気虚の人の生理の特徴

「気」の機能の一つに、「血」など人体に必要なものが体外に漏れ出ないようにコントロールする働き(固摂作用)がありますが、気虚になるとこの力が弱まり、出血しやすくなります。
だらだらと生理が8日以上続き、そのため終わったと思ったら、すぐ次の生理が来ます。このため生理周期が早まります。

二人目不妊については、こちらをクリック画像の説明ASKAレディースクリニック

661.小児の腹痛の漢方治療

次の症例は10歳、女児です。
最近頻繁に腹が痛み、1週間前に近くの小児科クリニックを受診したところ、整腸剤を処方されましたが全くおさまらないため、今度は総合病院の小児科も受診されましたが、整腸剤に胃薬を追加して処方されただけで、やはり全くおさまらないため、平成29年3月7日来院されました。
舌診では特に異常を認めず、 腹診では腹直筋緊張(;症例279参照)を認めました。
小建中湯(しょうけんちゅうとう;症例26、29、145、190、192参照)を一か月分処方したところ、4月10日に来られ、「漢方薬はとても飲みやすかったです。痛みも全然ましになりました。」といわれました。

しばらく続けていく予定です。

漢方がお役に立ててよかったです。
同じような症例を症例186、321に載せております。

662.起立性調節障害の漢方治療

症例は14歳男性です。
中学校1年生の後半より、朝に吐き気と頭痛がして学校に行けなくなり、中学校2年生の時にはほとんど学校に行けなかったそうです。
近医で起立性調節障害と診断され、メトリジン(ミドドリン塩酸塩)2mgを処方されましたが、全く効かないため、服薬をやめたそうです。
平成29年2月10日、知人の紹介で漢方治療を求めて、たつの市から当院へ来院されました。
症状は多彩で、胸やけ・腹痛・・口内炎ができる・食欲不振・鼻づまり・体がだるい・疲れやすい・風邪をひきやすい・のぼせやすい・めまい・立ちくらみ・手足の冷え・気分が沈む・寝つきが悪いなどがあります。
この方の舌を見ると、厚くはれぼったい感じがし、また両側の舌の縁に、歯型が波打つようについていました(歯痕舌(しこんぜつ))。
六君子湯(りっくんしとう;症例97参照)五苓散(ごれいさん;症例196参照)を合わせて一ヶ月分処方したところ、3月17日に来られ、「学校に毎日行けました。胃腸も調子いいです。」といわれました。さらに続けたところ4月21日に来られ、「高校生になりましたが、毎日学校に行けてます。もっと早く来ていればよかったです。」とお母さんがいわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。
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663.胃痛・背部痛の漢方治療

症例は54歳、女性です。
平成27年12月ヘリコバクターピロリ菌の除菌療法を受けてから、左臍部から左背部にかけての痛みが時々あり、便も軟便が続くため漢方治療を求めて、宍粟市から当院へ来院されました。
症状は多彩で、胸やけ・げっぷ・胃もたれ・みぞおちが痞える・口の中が苦い・口が渇く・肩こり・疲れやすい・のぼせやすい・動悸・腰痛・手がほてる・気分が沈む・寝つきが悪い・眠りが浅い・夜中に目が覚めるなどがあります。
この方の舌を見ると、辺縁が分厚く赤く(この赤みは肝の熱を表しています)、中央に白色の苔を認め、「気滞」体質を認めました。
腹部は軟らかく、胸脇苦満(きょうきょうくまん)(症例39参照)や、腹直筋の張りや中脘(ちゅうかん、下図参照)の圧痛は認めませんでしたが、左天枢(てんすう;症例155参照)の圧痛は認めました。
茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう;症例50、402、432、440、463、515、542、550、555、558、565、577、585、594、599、602、603、626、638、657参照)柴胡桂枝湯(さいこけいしとう;症例39、66、152、155、363、432、484、551、654参照)を合わせて処方したところ、3月14日に来られ、「不眠と軟便はなくなりました。ただ痛みは変わりません。」といわれましたので、柴胡桂枝湯を四逆散(しぎゃくさん;症例63参照)に変えたところ、4月21日に来られ、「痛みも消え、体調がよくなりました。」といわれました。

腹部の所見とは一致しませんでしたが、結果的には柴胡剤をパワーアップすることによりよくなったので、ストレスが原因と考えられました。

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664.小児嘔吐下痢症(感染性胃腸炎)の漢方治療

次の症例は3歳8ヶ月、女児です。
平成29年4月15日夜から、嘔吐が出現し、総合病院小児科を受診し、点滴を受けられたそうです。しかし翌日も嘔吐が続くため、再度受診し、点滴と整腸剤を処方され、翌々日も点滴を受けましたが、お母さんによると、”行く度に弱る”状態で、4月18日朝、当院を受診されました。嘔吐はなんとか止まっていましたが、発熱は続き、食事もあまりとれない状態でした。
症例3に示した方法で五苓散(ごれいさん);症例215参照)2包をお湯に溶いてお尻から注入しました。
4月18日夕方まで調子よかったそうですが、夜2回、4月20日朝1回嘔吐したため、再度来院されましたので、さらに2包注腸しました。
4月21日には、嘔吐はみられませんでしたが、まだ気分がすぐれずしんどそうでしたので、念のため2包注腸しました。
その後、お母さんが下痢を発症したため、4月23日朝受診されました。一緒についてきていましたが、その時にはすっかり元気になっていました。
昨年のことですが、他院で持続点滴のサーフロー針を入れて(下記写真参照)6回点滴してもよくならなかった症例が1回の注腸でよくなったこともあります。

画像の説明
写真出典:job.yomidr.jp/qa/post_23.html

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665.不妊症の漢方治療

症例は35歳、女性です。
結婚5年目になります。2年前に婦人科で不妊治療を受けましたが、金銭的なことで、中断されましたが、今年に入ってから、再開されました(スプレキュア;本来は、子宮内膜症や子宮筋腫の治療に使われる薬ですが、その作用から排卵誘発効果をもたらすために不妊治療でも使われる。下垂体におけるゴナドトロピンの分泌が促進される「フレアアップ」という現象が起こり、卵胞の発育と排卵が誘発される)。
今回、通年性のアレルギー性鼻炎の治療(スギ・ヒノキ・イヌなどに陽性)のため、平成29年2月15日姫路市から来院されました。
身長159cm、体重43kg、BMI17.0とやせを認めます。
他の症状として、足がむくむ・手足が冷えるなどがあります。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん;症例14、158、241、249、254、265、330、338、339、387、400、401、423、452、488、495、497、508、518、531、552、566、567、575、600、608、649、655)と35歳という年齢を考え(35歳近辺を境に出産率は下がる。原因は「卵子の老化」にあるといわれている)八味地黄丸(はちみじおうがん;症例42、58参照)と鼻炎に小青竜湯(しょうせいりゅうとう;症例109参照)を眠前に合わせて一ヶ月分処方したところ、3月22日に来られ、「妊娠しました。」といわれましたので、当帰芍薬散のみを一ヶ月分処方しました。
4月24日に来られた時には、「順調ですが、においに敏感になっています。」といわれました。

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666.過敏性腸症候群の漢方治療

症例は29歳、女性です。
約5年前より、夜中によく胃痛が起こり、過敏性腸症候群との診断を受けています。
治療を受けても症状が改善しないため、知人の紹介で漢方治療を求めて、姫路市から当院へ来院されました。
症状は多彩で、便秘と下痢の繰り返し・快便感がない・腹がはる・腹が鳴る・胃もたれ・胸が痞える・薬で胃が荒れやすい・頻尿・足がむくむ・口が渇く・肩こり・にきび・夜間の咳・体がだるい・疲れやすい・イライラする・めまい・腰痛・手足の冷え・気分が沈む・寝つきが悪い・眠りが浅い・夜中に目が覚める・生理痛が強い・青あざができやすいなどがあります。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。また色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう;症例50、402、432、440、463、515、542、550、555、558、565、577、585、594、599、602、603、626、638、657、663参照)柴胡桂枝湯(さいこけいしとう;症例39、66、152、155、363、432、484、551、654参照)を合わせて処方したところ、3月21日に来られ、「胃痛がなくなり、夜もよく眠れるようになりましたが、生理痛はまだ残っています。」といわれました。

もう少し、続けてその後、瘀血の治療を行う予定です。

漢方がお役に立ててよかったです。
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667.小児アトピー性皮膚炎と便秘の漢方治療

次の症例は6歳10ヶ月、女児です。
かさかさタイプのアトピー性皮膚炎で、平成26年7月17日より、通院中の患者さんです。黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう;症例222、379参照)で、皮膚もかゆくなくなり調子よかったのですが、平成29年2月27日に来られた時に、「便秘(3日に1回、コロコロ便)と皮膚がほてり、痒みが強くなってきた。」といわれましたので、黄耆建中湯を六味丸(ろくみがん;症例128、194、412、414、457、613、646参照)に変えたところ、3月29日には、「便通がよくなりました。皮膚のほてりや痒みもましになりました。」とお母さんがいわれました。5月2日には、「この薬の方が調子いいです。体力も上がっていますし、便通もいいですし、体臭が気になっていました(六味丸は加齢臭に使うこともあります)が、それもよくなりました。」とお母さんがいわれました。
5月30日には、「ごはんをよく食べるようになりました。便も毎日出ています。」とお母さんがいわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。
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668.通年性鼻アレルギーの漢方治療

症例は10歳11ヶ月女児です。
幼少期より、年中アレルギー性鼻炎(鼻が痒い・くしゃみ・鼻水・鼻づまり)があるため、耳鼻科で治療を受けても、あまり症状が変わらないため、平成29年3月14日に漢方治療を求めて、当院を受診されました。
詳細は不明ですが、ありとあらゆるものに、振り切れるぐらいアレルギーがあるそうです。
身長131cm、体重27kg。
免疫力アップのため補中益気湯(ほちゅうえっきとう;症例15、166、267、285、328、370、407、410、413、425、442、449、465、476、511、512、551、583、604、625、648、655参照)と鼻炎に葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)を合わせて処方したところ、5月2日に来られ、「漢方を飲んでいると、夜間の鼻閉がよくなり、よく眠るようになりました(以前は鼻閉のため息が吸いにく、ぐずってなかなか眠れなかったそうです)」とお母さんがいわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。
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669.非結核性抗酸菌症の漢方治療(5)

次の症例は55歳、女性です。
咳と血痰出現し、総合病院呼吸器科で胸部CT検査や痰の検査で非結核性抗酸菌症(肺MAC症)と診断されたそうです。
現在エリスロマイシン(マクロライド系抗生物質といわれるもので、細菌の発育を抑制する作用がある)と胃薬、カルボシスティンを処方されています。
しかし、体調がすぐれないため、漢方治療を求めて、たつの市より平成29年3月8日来院されました。
他の症状として、便秘・胃がもたれる・薬で胃があれる・頻尿・夜間尿・大量の痰・疲れやすい・のぼせる・動悸がする・耳鳴り・夜中に目がさめるなどがあります。
この方の舌をみると、腫れぼったく、歯痕舌を認めました。
身長158cm、体重53kg、BMI21.2。
非結核性抗酸菌症によく使う、人参養栄湯(にんじんようえいとう)六君子湯(りっくんしとう;症例97参照)を合わせて1カ月分処方したところ、4月11日に来院され、「咳は出ますが、血痰は出なくなりエリスロマイシンは中止しています。便秘もよくなりました。ただ、夜間頻尿・中途覚醒・耳鳴りは続きます。」といわれましたので、眠前に、抑肝散(よくかんさん;症例24、25、144、479、503、609、675、735、736)を追加しました。
次に5月12日に来院された時には、「咳や血痰はおさまっています。ただ口の中のねばっとした感じや色のない痰は少しあります。」といわれました。
調子いいので、このまま薬を続けていく予定です。

670.起立性調節障害の漢方治療

症例は14歳男性です。
中学校1年生の5月頃より、朝に吐き気と頭痛(週に1回は鎮痛剤を飲む)がして学校に行けなくなり、近医で起立性調節障害と診断され、メトリジン(ミドドリン塩酸塩)2mgを処方されましたが、逆に吐き気がひどくなり、服薬をやめたそうです。
平成29年2月14日、姫路市から漢方治療を求めて当院へ来院されました。
症状は多彩で、腹が鳴る・胃もたれ・胸やけ・のどや胸が痞える・口の中が苦い・手がむくむ・汗をかきやすい・のどが渇く・咳が出る・鼻づまり・鼻水・くしゃみ・息が吸いにくい・体がだるい・疲れやすい・食後眠くなる・イライラする・のぼせやすい・動悸・耳鳴り・めまい・立ちくらみ・手足がほてる・手足のしびれ・気分が沈む・寝つきが悪い・眠りが浅いなどがあります。
この方の舌を見ると、厚くはれぼったい感じがし、また両側の舌の縁に、歯型が波打つようについていました(歯痕舌(しこんぜつ))。
六君子湯(りっくんしとう;症例97参照)柴胡桂枝湯(さいこけいしとう;症例39、66、152、155、363、432、484、551、654、666参照)を合わせて一ヶ月分処方したところ、4月12日に来られ、「しばらくよかったが、また体調が悪くなってきました。」といわれましたので、六君子湯を茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう;症例50、402、432、440、463、515、542、550、555、558、565、577、585、594、599、602、603、626、638、657、663、666参照)に、柴胡桂枝湯を半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう;症例51、648参照)と強壮・強精作用のあるコウジン末(;症例449参照)に変えたところ、5月19日に来られ、「あれからとても元気になり、毎日学校に行けてます。」とお母さんがいわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。
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671.月経困難症とにきびの漢方治療

症例は15歳女性です。
生理1日目に生理痛や吐き気が強く、座っているのも大変な状態で、出血量も多いそうです。また、口のまわりや頬ににきびがあり、皮膚科でミノサイクリン(テトラサイクリン系の抗生物質。細菌が増える時に必要なタンパク質の合成を阻止し、細菌が成長できなくなって数が減り、ニキビの症状が改善される)を1年以上もらっているそうですが、よくならないそうです。
平成29年3月22日、たつの市から漢方治療を求めて当院へ来院されました。
舌は特に異常ありませんでした。
他の症状として、下痢・腹が鳴る・口内炎ができやすい・汗をかかない・口が渇く・のぼせやすい・めまい・立ちくらみなどがあります。
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう;症例163参照)当帰建中湯(とうきけんちゅうとう;症例427参照)を合わせて一ヶ月分処方したところ、4月15日に来られ、「生理は前回受診の後すぐに来たので、わかりませんでした。にきびはミノサイクリンを中止しても悪化していません。」といわれました。さらに続けたところ、5月18日に来られ、「にきびは試験前で、睡眠不足のため少し出ていますが、以前よりかなりいいです。生理も楽でした。」といわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。

月経困難症については、こちらをクリック画像の説明e治験

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672.舌痛症の漢方治療

次の症例は症例530の方です。
調子よかったのですが、平成29年3月4日に来られた時に、「舌先がピリピリと痛みます。」といわれましたので、六君子湯はそのままで、八味丸を加味逍遥散(かみしょうようさん;症例141参照 )に変えたところ、4月8日に来られ、「ピリピリ感はだいぶましになりました。」といわれました。さらに続けたところ、5月13日に来られ、「舌の痛みは完全に治りました。」といわれましたので、加味逍遥散を元の八味丸へ戻しました。
よく話を聞くと、子供さんのことで、気になることがあったそうです。

漢方がお役に立ててよかったです。

673.起立性調節障害の漢方治療

症例は15歳男性です。
1年前より、朝に立ちくらみと頭痛のため学校に行けなくなり、近医で起立性調節障害と診断され、メトリジン(ミドドリン塩酸塩)2mgを処方されましたが、少し症状が良くなった程度で、相変わらず朝は起きれないそうです。
平成29年3月23日、知人の紹介で姫路市から漢方治療を求めて来院されました。
症状は汗をかかない・疲れやすい・手足の冷え・寝つきが悪いなどがあります。
この方の舌を見ると、厚くはれぼったい感じがし、また両側の舌の縁に、歯型が波打つようについていました(歯痕舌(しこんぜつ))。
六君子湯(りっくんしとう;症例97参照)苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう;症例20参照)に強壮・強精作用のあるコウジン末(;症例449参照)を合わせて一ヶ月分処方したところ、4月20日に来られ、「先週は朝少し頭痛があったくらいで、調子が上がってきました。」といわれました。さらに続けたところ、、5月25日に来られ、「調子いいです。野球部に入り、毎日練習に参加できています。休みの日でも自分で朝起きてきます。」とお母さんがいわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。

674.小児の胃腸炎の漢方治療

次の症例は3歳3ヶ月、男児です。
平成29年5月19日から、下痢が出現し、近くの小児科を受診し、胃腸炎と診断され、抗生物質と整腸剤の処方を受けられたそうです。しかし、熱はさがったものの、下痢と腹痛が5日間続くため、5月23日朝、当院を受診されました。
本人は顔色が悪く、全く元気がありませんでした。聴診で、「腸蠕動音の亢進(グルグルと突進するような音が、1分間に35回以上聞こえる)」がみられました。
症例3に示した方法で五苓散(ごれいさん);症例215参照)1包と人参湯(にんじんとう;症例8参照)1包をお湯に溶いてお尻から注入しました。
午後に再び来られ、「昼前にでた便は水様から、少しドロッとした便になってきました。」といわれました。顔色がずいぶんよくなっておられ、聴診では、「腸蠕動音」が正常に戻っておりました。再度注腸したところ、翌日来られた時には、「ほとんどよくなりましたが、念のためもう1度来ました。」といわれました。
とても元気そうでしたが、念のためもう1度注腸して治療を終了しました。

漢方がお役に立ててよかったです。

675.おねしょの漢方治療

症例は11歳1ヶ月、男児です。
ほとんど毎晩おねしょをするため、泌尿器科を受診し、ミニリンメルト(尿量を減らす抗利尿ホルモン誘導体)内服や、夜尿アラーム(寝る前にお子さまのパンツに小さなセンサーをつけることで、おしっこでパンツが濡れるとアラームが鳴る条件づけ訓練法)をされましたが、少し改善した程度で、昨年9月以降は薬をやめたそうです。平成29年3月30日漢方治療を求めて姫路市から来院されました。
身長141.0cm、体重31kg。
他の症状として、鼻づまりがあるそうです。また怖がりで、眠りが浅いそうです。
この方の舌は異常ありませんでした。 腹診では腹直筋緊張(;症例279参照)を認めました。小さい時にはよく鼻血を出していたそうです。
小建中湯(しょうけんちゅうとう;症例29参照)と、抑肝散(よくかんさん;症例24、25、144、479、503、609、669、735、736)を合わせて一ヶ月分処方しました。
4月4日に、じんましんで来院された時には、「変化ありません。」といわれました。
さらに続けたところ、5月24日に来られた時には、お母さんが、「薬を飲みだして1ヶ月は、全く変化ありませんでしたが、次の1ヶ月は、11日おねしょをしませんでした。」といわれました。
このまま続けていく予定です。

漢方がお役に立ててよかったです。

676.手首・首・肩・肩甲骨の痛みの漢方治療

症例は54歳女性です。
既往歴として平成27年6月にバネ指の手術をされています。
約2年半前より、手首(ひねると激痛)・首・肩・肩甲骨の痛みが一日中あるため、総合病院の整形外科を受診し、血液検査(リウマチの検査は陰性)やMRI検査等を受けましたが、原因はよくわからず、「とりあえず、痛み止め(ロキソニン)で様子をみましょう。」といわれたそうです。
半年前よりロキソニンが全く効かず、痛みで夜中目がさめるようになったため、平成29年2月28日漢方治療を求めて姫路市から来院されました。
身長152.0cm、体重47kg、BMI20.3。
症状は多彩で、下痢と便秘の繰り返し・のどや胸が痞える・食欲不振・夜間頻尿・手足がむくむ・口が渇く・頭痛・肩こり・手の荒れ・体がだるい・疲れやすい・イライラする・手足の冷え・手足がほてる・腰痛・手足のしびれ・気分が沈む・寝つきが悪い・眠りが浅い・夜中に目が覚める・いやな夢をみるなどがあります。
この方の舌を見ると、厚くはれぼったい感じがし、また両側の舌の縁に、歯型が波打つようについていました(歯痕舌(しこんぜつ))。
茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう;症例50、402、432、440、463、515、542、550、555、558、565、577、585、594、599、602、603、626、638、657、663、666参照)桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう;症例23、104、203、206、319、351、402参照)に強壮・強精作用のあるコウジン末(;症例449参照)を合わせて1日2回で一ヶ月分処方しました。
4月4日に来られた時には、「夜間の頻尿は改善しましたが、痛みは続きます。」といわれましたので、それぞれ1日3回に増やしたところ、5月20日に来られ、「痛みがだいぶ楽になってきました。」といわれました。
7月1日には、「今までは痛みで、夜1時間毎に目が醒めていましたが、楽になりました。手の荒れもなくなりました。」といわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。

677.のどの乾燥の漢方治療

症例は69歳女性です。
平成12年より、のどの異常(つばを乾燥で飲み込むことができなくなり、耳鼻科を受診したところ、口を開けて寝ているためといわれ、マスクをして寝るようにといわれた。)があったそうです。
平成25年、またのどの乾燥と咳が止まらず、総合病院で色々と検査をされましたが、「異常なし。」といわれました。
さらに平成27年母の看病疲れのためか、またのどの異常感が出現し、耳鼻科を受診したところ、「年齢のせい。」といわれました。症状が続くため、7月胃カメラを受けたところ、「のどが脹れている。」といわれ、また耳鼻科を勧められ受診したところ、ムコダイン(去痰剤)とクラリス(抗生剤)と半夏厚朴湯を処方されましたが、よくなりませんでした。
平成29年3月7日、ホームページを見て、たつの市より受診されました。
身長157.0cm、体重48kg、BMI20.3。
他の症状として、のどが痞える・口の中が苦い・風邪をひきやすい・疲れやすい・イライラする・耳鳴り・手足の冷え・気分が沈む・寝つきが悪い・夜中に目が覚めるなどがあります。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。また色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう;症例50、402、432、440、463、515、542、550、555、558、565、577、585、594、599、602、603、626、638、657、663、666参照)加味逍遥散(かみしょうようさん;症例141参照 )を合わせて1日2回で一ヶ月分処方しました。
4月6日に来られた時には、

  • 朝がスーと起きれるようになった
  • 足の冷えが改善
  • 夜中と起床時の口の中の苦みが改善

しかし、まだのどの乾燥はもどらないそうです。強壮・強精作用のあるコウジン末(;症例449参照)を追加したところ、5月11日に来られ、

  • のどの違和感が10から8くらいによくなった
  • また、昼間はのどの事を忘れている日がでてきた
    そうです。

このまま続けていく予定です。

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678.腹痛の漢方治療

次の症例は46歳、男性です。
昨年秋頃より、会社について椅子についたとたん脇腹(左>右)が痛むようになり、平成28年11月24日、消化器専門の内科で胃カメラを受けたところ、十二腸潰瘍瘢痕のみで、ピロリ菌も陰性だったそうです(腹部超音波検査も異常なし)。
他の症状として、のどが痞える・腹がはるの症状もあります。
加療を受けるも改善しないため、平成29年5月27日、姫路市より受診されました。
身長167.0cm、体重74kg、BMI26.5。
この方の舌を見ると、辺縁が分厚く赤く(この赤みは肝の熱を表しています)、中央に白色の苔を認め、「気滞」体質を認めました。腹診で、みぞおちが硬くなっており(心下痞硬という)、胸脇苦満(=胸から脇(季肋下)にかけて充満した状態があり、押さえると抵抗と圧痛を訴える状態)と腹直筋攣急もあり、腹に2本の棒を立てたように触れました。
四逆散(しぎゃくさん;症例63、102参照 )を1ヶ月分処方したところ、6月17日に来られ、「四逆散を飲んですぐに、痛みは楽になりました。」といわれた。

漢方がお役に立ててよかったです。

679.耳鳴りの漢方治療

次の症例は68歳、男性です。
平成27年10月2日、夜間頻尿・左耳鳴り・咳・脊柱管狭窄症・のどや胸の痞えなどの漢方治療を目的に姫路市より受診されました。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。
腹診では下腹部が軟弱無力で、圧迫すると腹壁は容易に陥没し、押さえる指が腹壁に入るような状態(小腹不仁(しょうふくふじん))を認め、腎虚と考えられました。
腎虚に使う牛車腎気丸(ごしゃじんきがん;症例47参照))茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう;症例50、402、432、440、463、515、542、550、555、558、565、577、585、594、599、602、603、626、638、657、663、666、677参照)を合わせて処方したところ、12月24日には、耳鳴り以外はよくなられました。そのまま続けたところ、平成29年2月2日には、「時々耳鳴りが消えている日があります。」といわれました。6月27日には、「薬が2週間ほど切れたら、耳鳴りがひどくなってきました。薬が効いていたのがよくわかりました。」といわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。

耳鳴りの漢方治療については、症例34、131、342、430も参照ください。

680.小児頭痛の漢方治療

症例は14歳、男児です。
「今までは月に1程度の頭痛ですぐに治っていたが、先週よりはずっと頭痛が続いている。また、近医で頭痛薬を処方してもらったが、全く効かない。」と、6月5日、たつの市から来院されました。
最近、塾や部活で忙しく、また受験も控えていることから、ストレスが多いそうです。
他の症状として、腹痛・口内炎ができやすい・にきびがあります。
身長168cm、体重54kg。
舌は、特に異常ありませんでした。
小児の習慣性頭痛によく使う(症例186参照)柴胡桂枝湯(さいこけいしとう;症例39、66、155、152、186、304、619参照)を処方したところ、7月11日に来られ、「頭痛を言わなくなりました。それまでは、週に2回学校を休んでいましたが、今は毎日学校へ行けています。」といわれました。

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681.膝の痛み(学生時代のテニスによる古傷)が1週間でよくなった症例

次の症例は47歳、女性です。
学生時代のテニスで膝を痛め、整形外科では、「古傷なので治らない。」といわれたそうです。
平成29年6月17日、「2・3年前より、更年期障害っぽい。」とのことで漢方治療を目的にたつの市より受診されました。
症状として、下痢しやすい・吐き気・胸やけ・手指がむくむ・頭痛・肩こり・体がだるい・疲れやすい・イライラする・めまい・手足の冷え・腰痛・気分が沈む・夜中に目がさめる・生理がだらだら出血するなどがあります。
身長155cm、体重63kg、BMI26.3と肥満を認めます。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。また色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
六君子湯(りっくんしとう;症例97参照)桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん;症例67参照)を合わせて処方したところ、7月18日に来られ、「飲み始めて、1週間で体がポカポカし、膝の痛みが全く消えて、さっさっと階段が登れるようになりました。」といわれました。

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682.下腹がはって痛むの漢方治療

次の症例は79歳、女性です。
下腹がはって特に左側が痛むため、1週間前に総合病院内科で大腸内視鏡検査を受けられましたが、「特に異常なし。」といわれています。
既往歴に乳癌があり、現在高血圧症で投薬を受けています。
平成29年7月4日、漢方治療を目的に受診されました。
身長152cm、体重55kg、BMI23.8。
他の症状として、薬で胃があれやすい・頭痛・肩こり・足がむくむ・汗をかきやすい・かぜをひきやすいなどがあります。
この方の舌を見ると、色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質をはっきりと認めました。
大建中湯(だいけんちゅうとう;症例44、123、396、499、585、620参照)桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん;症例67参照)を合わせて処方したところ、7月31日に来られ、「薬を飲みだして、3日間ですっかりよくなりました。薬はどうしたらよいでしょうか。」といわれましたので、「乳癌の既往もあるので、つづけられたらいいですよ。」とお話しさせていただきました。
11月29日に来られた時には、「毎年冬には、4・5回はかぜをひくのに、今年はかぜをひいてもすぐ治るので病院に行かなくてすんでいます。また今まで、足が冷えて靴下を何枚か重ねてはいていましたが、今年は1枚ですんでいます。」といわれました。

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683.陰部の痒みの漢方治療

次の症例は33歳、女性です。
5年前、長男出産後からじん麻疹が出現、平成28年12月6日、知人の紹介で漢方治療を目的に受診されました。
身長160cm、体重62kg、BMI24.2。
他の症状として、便秘・体がむくむ・肩こり・イライラする・めまい・手足が冷える・寝つきが悪い・生理不順・生理痛がひどいなどがあります。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。
茵蔯五苓散(いんちんごれいさん;症例9、13、120、305、639参照)と肩こりに葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう;症例12参照)を合わせて処方したところ、平成29年1月10日に来られ、「じん麻疹の出る回数が半分ぐらいになりました。肩こりは治りました。ただし、体がだるく朝起きにくいです。」といわれましたので、強壮・強精作用のあるコウジン末(;症例449参照)を合わせて処方したところ、2月6日に来られ、「調子いいです。」といわれました。それでいったん通院が途絶えましたが、7月8日に来られ、「飲まないと、またじん麻疹がでてきました。また陰部が痒くてしかたありません。」といわれましたので、葛根加朮附湯に変えて竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう;症例464、467、586参照)を処方したところ、8月2日に来られ、「すぐに陰部の痒みは引きました。ただし、薬が切れるとまたすぐに痒くなってきます。」といわれましたので、しばらく続けていく予定です。

漢方がお役に立ててよかったです。

小児の症例を症例586に載せております。
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陰部の痒みについては、こちらをクリック画像の説明明徳漢方内科

684.胃痛の漢方治療

症例は11歳、女児です。
平成25年より、アレルギー性鼻炎、牛乳アレルギーなどアレルギー体質を改善したいとのことで、通院されている患者さんです。人参湯をベースに治療していましたが、平成29年7月7日に来られた時に、「お腹が空くと、胃がキリキリ痛む。」といわれましたので、安中散(あんちゅうさん;症例11、113、201参照)を追加したところ、8月5日に来られた時に、「飲みだして2日目に胃痛がとれ、以後一度も痛みませんでした。」といわれました。「もう中止してもいいですよ。」と私がいいましたが、中止して、またあの痛みが来るのがよほど怖いようでしたので、しばらく続けることにしました。
安中散は、胃痛・腹痛・生理痛(症例11参照)など腹痛一般を目標に使います。
やせ型で冷え症、甘いものが好きな人にはピッタリ合う可能性が高いです。

漢方がお役に立ててよかったです。
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安中散について別の患者さんがブログに書かれています。こちらをクリック画像の説明リラックス健康研究所

685.便秘の漢方治療

次の症例は24歳、女性です。
平成29年3月に出産されてから(元々便秘気味だったが、妊娠中は便通はよかった)、「便秘で腹がはり、ガスがたまって苦しい。」とのことで、平成29年7月12日に漢方治療を目的に受診されました。
身長155cm、体重48kg、BMI20.0。
他の症状として、快便感がない・腹がなる・足がむくむ・汗をかきやすい・手足が冷えるなどがあります。
大建中湯(だいけんちゅうとう;症例44、123、396、499参照)を処方したところ、8月9日に来られ、「便通がすっかりよくなり、調子いいです。」といわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。

686.眼瞼周囲の皮膚炎の漢方治療

次の症例は70歳、女性です。
高血圧症で当院通院中の患者さんです。
両目のまわりが赤くなりかゆみも強いとのことで、皮膚科を受診し、塗り薬と飲み薬をもらわれましたがよくならないため、平成29年6月7日当院へ受診されたときに相談をうけました。
身長156cm、体重61kg、BMI25.3と肥満傾向です。
梔子柏皮湯(ししはくひとう;症例127、276、314、443、588参照)を1日2回で1ヶ月分処方したところ、7月12日に来られ、「目の下が少し腫れぼったいぐらいで、赤味も引いてほぼ治りました。」といわれました。

なお大阪府茨木市の峯 尚志先生が講演会で、「眼瞼周囲は気血のめぐりが悪いため、この部位の湿疹は治りにくい。」と、いわれていました。

漢方がお役に立ててよかったです。

687.頻繁に発熱を繰り返す幼児の漢方治療

症例は1歳1ヶ月、女児です。
出生体重は、3213gで(正常2500g~4000g未満)正常です。
母乳で育てられています。
他院で、平成29年6月3日に予防接種をされ、5日朝から高熱が3日続いたそうです。突発疹といわれたそうですが、その後も微熱が続き、6月22日より、また39℃の高熱が出現、6月23日当院を受診されました。
おかあさんの話では、熱があっても食欲はあり、機嫌もよかったそうです。しかし、他院では抗生剤をずっと処方され、ほぼ毎日飲ませたそうです。
診察するも異常はなく、その時点で、気虚発熱(症例15、166、267、285、321、608、644参照)の症例と考え、補中益気湯(ほちゅうえっきとう;症例15、166、267、285、328、370、407、410、413、425、442、449、465、476、511、512、551、583、604、625、648、655参照)2.5gを朝、夕に分けて1ヶ月分処方しました。次に7月22日に受診され、話を聞くと、6月23日その日から発熱はおさまったそうです。
次に8月14日に来られましたが、やはり一度も熱を出さなかったそうです。

「漢方の知識がないと、幼児に毎日抗生剤を飲ませ続けることになる。」という、教訓となった症例でした。

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688.小児の便秘の漢方治療

症例は2歳2ヶ月、男児です。
平成29年6月2日、あせもの加療を求めて受診されたときに、「便秘がひどく、4~5日に一回硬い便が出る。浣腸したこともあるが嫌がる。どうしたらいいか。」との相談を受けました。
小建中湯(しょうけんちゅうとう;症例26参照)朝1包、夕1包で2週間分処方したところ、6月15日に来られ、「便が幾分軟らかくなり、出やすくなりました。」とお母さんがいわれました。
7月14日に来られた時には、「まだ、4日に1回ぐらいしか出ません。」とお母さんがいわれましたので、朝2包、夕1包に増量したところ、8月14日に来られ、「3日に1回は出るようになり、2日連続で出た日もあります。」といわれました。また、「食欲が増し、体がおおきくなったね、と人にいわれるようになりました。」といわれました。
このまま続けていく予定です。

漢方がお役に立ててよかったです。

小児の便秘については、症例190、192、279、631、647、667も参照下さい。

689.おねしょの漢方治療

症例は8歳8ヶ月、男児です。
平成29年5と6月は、月に6~7回ほどおねしょをしていたのが、7月に入ってから、月に10回ほどに増えたため、7月21日漢方治療を求めて来院されました。
身長132.0cm、体重28kg。
他の症状は特にありません。
この方の舌は異常ありませんでした。 よく鼻血を出すそうです。冷えはないそうです。
小建中湯(しょうけんちゅうとう;症例29参照)を一ヶ月分処方しました。
8月18日に来院された時には、「8月14日に1回おねしょをしただけです。鼻血も出なくなりました。」といわれました。
このまま続けていく予定です。

漢方がお役に立ててよかったです。

690.小児のサメ肌の漢方治療

症例は7歳10ヶ月、女児です。

乾燥肌で、皮膚科に受診したところ、「サメ肌で、このままだとアトピー性皮膚炎になる。」と先生にいわれたそうです。平成29年3月18日漢方治療を求めて揖保郡太子町から来院されました。
身長134.0cm、体重35kg。
他の症状として、朝に鼻水があります。この方の舌は異常ありませんでした。

サメ肌は漢方では瘀血ですから、桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん;症例67参照)と小児のアトピー性皮膚炎によく使う黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう;症例222、379参照)を合わせて処方しましたが、4月1日と5月6日に来られた時には、あまり変化はありませんでした。しかし、6月3日に来られた時には、「ましです。」といわれ、7月1日に来られた時には、「二の腕のカサカサは治りました。」といわれ、9月2日に来られた時には、「皮膚が本当にツルツルになりました。」とおかあさんがいわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。

サメ肌に関しては、以下のサイト  EPARKを参照してください。

 

691.朝起きれない小児の漢方治療

症例は13歳4ヶ月、女児です。

朝がなかなか起きられないため、平成29年6月17日漢方治療を求めて姫路市から来院されました。
身長160.0cm、体重50kg。

症状として、便秘(3日に1回)・体がだるい・イライラする・めまい・立ちくらみ・手足の冷え・腰痛などがあります。
この方の舌は異常ありませんでした。六君子湯(りっくんしとう;症例97参照)ウチダ八味丸(はちみじおうがん;症例530参照)を合わせて処方したところ、7月12日に来られ、「朝起きれるようになりました。便も毎日出ます。足の冷えもよくなりました。」といわれました。さらに、8月25日には、「食欲もアップし、便も毎日出て調子いいです。」といわれました。

漢方がお役に立ててよかったです。

692.幼児の水イボの漢方治療

症例は5歳3ヶ月、女児です。水イボが、二の腕や脇、股の部分にでき、皮膚科でピンセットでとってもらったが、すぐ再発したそうです。平成29年7月5日漢方治療を求めて来院されました。他には特に冬場皮膚が乾燥して湿疹が出るそうです。
体重15kg。ヨクイニンエキス散)4グラムを1日2回にわけて一ヶ月分処方したところ、7月12日に来られ、「水イボすべてきれいになくなりました。」とお母さんがいわれました。なお、そのことを皮膚科の先生にいったところ、「イボと水イボは違うから、漢方が効くはずない。おそらく、免疫力があがったからだろう。」といわれたそうです。

免疫力が一ヶ月で上がるとも思えませんが‥。

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水イボについては、こちらを参照ください。はしもと小児科

写真出典;blogs.yahoo.co.jp/gh13362/42396053.html

693.気虚発熱の漢方治療

症例15、166、267、285、321、608、644に続いて気虚発熱(症例15参照)の症例を載せます。
症例は47歳、女性です。平成29年8月8日夜から発熱出現。”平熱になったと思ったらすぐに39℃に上昇する”を繰り返したそうです。
8月14日、総合病院を受診し、採血等の検査を受けられましたが、「特に異常なし。」といわれ薬は出なかったそうです。熱が続くため、8月17日漢方治療を求めて姫路市から来院されました。この方の舌を見ると、厚くはれぼったい感じがし、また両側の舌の縁に、歯型が波打つようについていました(歯痕舌(しこんぜつ))。
他の症状として、便秘・口内炎ができやすい・のどが渇く・残尿感・汗をかきやすい・頭痛(右片頭痛があり、普段ロキソニンを常用)・肩こり・体がだるい・食欲不振などがあります。
身長160cm、体重51.5kg、BMI20.1。来院時体温38.6℃。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう;症例15、166、267、285、328、370、407、410、413、425、442、449、465、476、511、512、551、607参照))を2週間分処方したところ、9月4日に来られ、「熱はすぐに下がり、仕事に行けるようになりました。」といわれました。

念のためさらに一か月分処方させていただきました。

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694.更年期の手のこわばり・円形脱毛症の漢方治療

 次の症例は53歳、女性です。
平成28年5月閉経されています。朝手指がこわばる・体がだるい・円形脱毛症などがあり、知人の紹介で8月28日漢方治療を求めて赤穂市から来院されました。他院で高血圧症と高コレステロール血症の薬をもらわれています。また、子宮筋腫もあります。
他の症状として、便秘・胃もたれ・胸やけ・口内炎ができやすい・頻尿・手足がむくむ・汗をかきやすい・口が渇く・頭痛・肩こり・疲れやすい・手足の冷え・腰痛・イライラ・夜中に目がさめるなどがあります。
身長153cm、体重56kg、BMI23.9。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。また色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
六君子湯(りっくんしとう;症例97参照)加味逍遥散(かみしょうようさん;症例141参照 )を合わせて1日2回で一ヶ月分処方したところ、9月20日に来られ、「手のこわばりが気にならなくなりました。体のだるさもとれました。寝つきもよくなりました。」といわれました。
また、右の側頭部にあった大きな円形脱毛症も全面に毛が生えてきておりました。
また、11月2日に来られた時にみますと、全くどこが円形脱毛症だったのかわからないくらいに毛が生えておりりました。

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更年期の手のこわばりについては、こちらをクリック画像の説明ようこクリニック

695.ショックを受け食欲不振になった症例の漢方治療

次の症例は81歳、女性です。
他院で高血圧症やアレルギー性鼻炎で通院中の方です。また睡眠薬のハルシオン、安定剤のデパスも服用されています。

平成29年8月15日、ご主人が肺癌と診断され、ショックを受け、それ以後食欲がなくなったそうです。8月22日友人の紹介で漢方治療を求めて来院されました。
他の症状として、快便感がない・胃もたれ・胸やけ・のどが痞える・口の中が苦い・汗をかかない・口が渇く・肩こり・体がだるい・疲れやすい・食後眠くなる・イライラ・気分が沈む・夜中にいやな夢をみるなどがあります。
身長151cm、体重41kg、BMI18.0。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。
六君子湯(りっくんしとう;症例97参照)平胃散(へいいさん;症例100参照)を合わせて処方したところ、9月21日に来られ、「よく食べれるようになりました。体もとても調子いいです。」といわれました。

治療が早かったのと、六君子湯はうつ状態にもよく使う(症例97参照)ので、よく効いたのだと思います。

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696.爪甲横溝(そうこうおうこう)の漢方治療

次の症例は61歳、女性です。
いろいろ体調不良があり、娘が当院の漢方薬で体調がよくなったため、平成29年2月5日、自分も漢方薬を求めて姫路市から来院されました。
他院でコレステロールを下げるクレストールと緑内障の目薬をもらわれています。
他の症状として、便秘・のどが痞える・口の中が苦い・口が渇く・頭痛・肩こり・手足が荒れる・咳が出る・鼻閉・鼻水・体がだるい・疲れやすい・腰痛・夜中に目がさめるなどがあります。
身長156cm、体重61kg、BMI25.1と肥満傾向です。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。また色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん;症例67参照)茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう;症例50、402、432、440、463、515、542、550、555、558、565、577、585、594、599、602、603、626、638、657、663、666、677参照)を合わせて処方したところ、6月13日には、「体調がとてもいいです。」といわれました。さらに続けてところ、9月12日に来られた時に、「今まで全ての手の爪が断層のようになっていましたが、きれいになりました。14、5年ずっと悩んでいたのがふと気づくときれいになっていました。皮膚科に行っても少しもよくならなかったんです。今は漢方を楽しみに飲んでいます。」といわれました。
ずっと水を使う仕事に従事されているそうです。
別に爪をきれいにしようと薬を投与したわけではありませんが、漢方薬で体調を整えると、このように思わぬ効果が出るのはよくあることです。
10月10日に来られた時には、「皮膚科の先生に見せると、びっくりされていました。」といわれました。
「おそらく、薏苡仁が効いたんだろう。」といわれたそうです。

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爪甲横溝(そうこうおうこう)とは、つめの甲を横に走る水平の溝や波打った溝ができる状態のことです。 

697.水太りの漢方治療

次の症例は58歳、女性です。
体中にゼリーが入っているように、ポニョポニョし(本人の言葉のまま)、整体の先生から、「水太りの状態だから、漢方薬がよい。」とすすめられ、平成29年6月16日赤穂市から来院されました。
他の症状として、足がむくむ・手がしびれる・寝つきが悪いなどがあります。
身長161cm、体重68kg、BMI26.2と肥満を認めます。
この方の舌を見ると、腫れぼったく、歯痕舌を認め、「気虚」体質と考えられました。
九味檳榔湯(くみびんろうとう;症例150、345、346、348、349、406、422、476、581、638、652参照)を処方したところ、平成29年7月5日に来られ、「1週間前ぐらいから、ポタポタ感が少しましになりました。体重は変わりません。」といわれました。そのまま続けたところ、8月9日に来られ、「体重が2kg減りました。」さらに続けたところ、10月4日には、「体重は65kgになり、ゼリー感も消失しました。」といわれました。

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698.九味檳榔湯(くみびんろうとう)による湿疹の漢方治療(2)

次の症例は65歳、女性です。
夏になってから体がだるく、8月・9月はほとんど寝ころんでいたそうです。
また37℃ぐらいの微熱もつづいたそうです。近医で採血を受けても特に異常なかったそうです。
知人の紹介で、平成28年11月7日に姫路市から漢方治療を求めて当院を受診されました。
身長162cm、体重42kg、BMI16.0とやせを認めます。
他の症状として、便秘・快便感がない・腹がはる・のどが痞える・手足がむくむ・口が渇く・頭痛・肩こり・体がだるい・疲れやすい・食後眠くなる・耳鳴り・手足の冷え・気分が沈む・寝つきが悪いなど・足がつりやすいがあります。
この方の舌を見ると、厚くはれぼったい感じがし、また両側の舌の縁に、歯型が波打つようについていました(歯痕舌(しこんぜつ))。
便秘・快便感がない・足がむくむ・頭痛・肩こり・足がつりやすいなどの症状より九味檳榔湯(くみびんろうとう;症例150、345、346、348、349、406、422、476、581、638、652、697参照)と気虚の代表的な薬である六君子湯(りっくんしとう;症例97参照)を合わせて1ヶ月分処方しました。
少しずつ体調は良くなり、平成29年1月10日には、「体が楽になってきました。便秘や頭痛も少しずつ良くなっています。」といわれました。九味檳榔湯を1日2回から3回に増やしたところ、5月8日には、「体調はいいです。最近人の顔を見て話ができるようになりました。」といわれました。10月12日には、「頭痛もなく、便秘もありません。体調もとてもいいです。」といわれました。
また、この時はじめていわれたのですが、「膝の下の湿疹が最近治りました。今まで何をしてもよくならなかったんです。」といわれました。

症例345、476に書いていますが、九味檳榔湯は、精神的ストレスにより悪化する、慢性痒疹、皮膚瘙痒症、慢性じんましんによいとされています。

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699.高校生の白髪の漢方治療

次の症例は17歳、女性です。
1歳からアトピー性皮膚炎があり、今は首(症例613参照)や肘の内側に残っています。また最近白髪が増えてきた(小さい時は天然パーマだったそうです;症例412参照)ため漢方治療を求め、平成29年8月5日、加西市から来院されました。
身長165cm、体重58kg、BMI21.3。
他の症状として、便秘・・快便感がない・汗をかきやすい・咳が出る・鼻水・体がだるい・疲れやすい・イライラする・のぼせ・気分が沈むなどがあります。
この方の舌を見ると、色が紫がかり、舌の裏側の静脈が膨れ、枝分かれし、「瘀血(おけつ)」体質を認めました。
桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん;症例67参照)六味丸(ろくみがん;症例128、194、412、414、457、613、646、667参照)を合わせて処方したところ、薬を飲み始めて2ヶ月後の10月14日には、白髪とアトピー性皮膚炎がほぼ治っておりました。

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700.貧血の漢方治療

次の症例は50歳、女性です。
平成28年11月11日、肩こりや生理不順(1月30日以降生理無し。10月10日に生理あったが一瞬で終わった)などを訴え漢方治療を求め来院されました。
身長157cm、体重59kg、BMI23.9。
他の症状として、下痢・のどが痞える・足がむくむ・口が渇く・風邪をひきやすい・体がだるい・疲れやすい・髪がよく抜ける・白髪が増えた・食後眠くなる・イライラ・のぼせる・手足の冷え・手足のほてり・気分が沈む・夜中に目がさめるなどがあります。
この方の舌を見ると、厚くはれぼったい感じがし、また両側の舌の縁に、歯型が波打つようについていました(歯痕舌(しこんぜつ))。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん;症例14、158、241、249、254、265、330、338、339、387、400、401、423、452、488、495、497、508、518、531、552、566、567、575、600、608、649、655、665)と気虚の代表的な薬である六君子湯(りっくんしとう;症例97参照)と強壮・強精作用のあるコウジン末(;症例449参照)を合わせて1ヶ月分処方し、しばらく続けていただいたところ、平成29年8月18日には、「体調がとてもよく、肩こりもあまり感じなくなりました。生理は閉経したようです。」といわれました。さらに続けたところ、10月24日には、「今まで献血に行っても、ヘモグロビン値が10代で献血できなかった(献血基準はこちら)のが、10月18日にはヘモグロビン値が12.8に増加しており400ml献血することができました。」といわれました。
貧血の治療には、当帰芍薬散に人参養栄養湯を合わせて処方します

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貧血と当帰芍薬散については、こちら画像の説明漢方デスク