非結核性抗酸菌症では、抗生物質の無効な症例も多く、しばしば対応に苦慮しますが、漢方薬が期待以上の力を発揮することがあります。
体力・免疫力の増強がその理由と考えられます。

補中益気湯‥疲労倦怠感の強い虚証の人に対応しやすい。
人参養栄湯‥補中益気湯に似るが、これに咳嗽などの呼吸器症状を伴うときに用いる。

これは、広瀬クリニックの広瀬滋之先生が岡山で講演会をされた時に教えていただいたものです。
当院では、非結核性抗酸菌症の漢方治療をおこなっていますが、いずれもよい結果を得ております。本当によく効きます。特に症例705は、当院の患者さんで、西洋薬は一切使用しておらず、漢方薬のみで治療した症例です。

また、西洋医学による治療を漢方で補うことで治療の成績が上がる場合や、西洋医学の薬の副作用が漢方で軽くなるというメリットもあります。

なお、症例711には、クラリスロマイシン(CAM)、リファンピシン(RFP)、エタンブトール(EB)の3者で治療され、副作用で苦しまれた症例を載せております。
師匠の下田憲先生はこう話されました。

「非結核性抗酸菌症は抗結核剤もあまり効かないし、放っておいてもどんどん他人に感染するとか、本人の命にかかわるといった病気ではないのです。本人の体力をあげて病気と平和共存して生きていけばいいはずなのに、西洋医学的スタンスだったら、感染症というものは絶対なくならなければいけないのです。だから何が何でも、とにかく副作用が出ようが何であろうが抑えようとしますが、非結核性抗酸菌症は延々とやってもうまくいかないことが多いのです。でもうまく体力を上げて肺の働きを高めてあげると、それはそれとして、あってもたいしたことにはならないで暮らしていけるのです。」

 

非結核性抗酸菌症の漢方治療については、
当院の漢方著効例
の症例30
当院の漢方著効例3
の症例142
当院の漢方著効例4
の症例173
当院の漢方著効例11
の症例512
当院の漢方著効例14
の症例669
当院の漢方著効例15
の症例705、711
当院の漢方著効例16
の症例773

を参照して下さい。