起立性調節障害は小児から思春期ころに多くみられますが、春から夏にかけて症状が悪化しやすい傾向があります。
低血圧傾向で、身体がだるい、食欲がない人や夕方から調子がよくなり、夜は眠れず、朝は起きれないという人が多いようです。
また、甘い物を好み、運動不足のため低体温で冷え症の傾向もよくみられます。こういう人には、甘い物の摂取を控えさせ、歩行などの運動や体操、入浴による軽い発汗を促すことも有効です。

漢方医学の立場から見た場合、「フクロー型体質」の症状の一つとして起立性調節障害を生じることがあり、病気というより体質の問題であると考えられています。

西洋医学では治療に苦労する起立性調節障害ですが、症例をみていただければわかりますが、漢方薬が極めて有効です。

 

起立性調節障害の漢方治療については、

当院の漢方著効例8
の症例363
当院の漢方著効例10
の症例469、473、484
当院の漢方著効例11
の症例544
当院の漢方著効例12
の症例568
当院の漢方著効例13
の症例619、648
当院の漢方著効例14
の症例662、670、673
当院の漢方著効例15
の症例707、723、726(確定診断はついてない)、743
当院の漢方著効例16
の症例774

を参照して下さい。

 

平成30年10月17日の毎日新聞医療プレミアに以下の記事がありました。

<起立性調節障害>「怠け」でなく身体疾患 いじめ背景にも

10/17(水) 9:36配信

毎日新聞

 青森市立中2年の葛西りまさん(当時13歳)がいじめ被害を訴えて自殺した問題で、市いじめ防止対策審議会は8月、学校側が組織的に対応できていなかったと報告書で指摘した。りまさんがかかっていた「起立性調節障害(OD)」への対応もその一つ。10代前半に多い病気だが、「怠けている」と誤解されやすく、りまさんがいじめを受ける背景にもなった。小児科医にODの特徴を聞いた。【一宮俊介】

審議会の報告書や遺族によると、りまさんは2015年6月ごろから頭痛や体のだるさを訴え始め、病院で風邪と診断された。しかし、風邪薬を服用しても改善しなかったため別の病院を受診。15年9月18日に、数カ所目に訪れたクリニックで初めてODと診断された。
青森県弘前市の「河内小児科・内科クリニック」院長の河内暁一(きょういち)医師(70)によると、ODは自律神経がうまく働かなくなることで起こるという。朝起きづらい▽体がだるい▽頭痛や腹痛が時々ある--などの症状があり、「体格が急に成長する思春期の子供に多く、中学校ではクラスに1~2人はいるのではないか」と説明する。
午前中は体調が悪くても、午後から夜にかけて元気になる子もいる。このため、周囲から「怠けている」などと誤解されたり、不登校につながったりするケースもある。思春期の子供にとって珍しくない病気だが、河内医師は「学校の先生でしっかりと理解している人はまだ少ない」と話す。
りまさんの場合も、いじめの背景にODへの理解不足があった。審議会の報告書によると、学校側はりまさんがODと診断されたことを把握していたが、正確な知識が足りず、同級生らに病気への理解を浸透させられていなかった。このため、りまさんがずる休みをしているとの印象を周囲に持たれ、それを口実にしたいじめを止めることができなかった。
報告書は「本人と保護者や教員に、『ODは身体疾患であり、根性や気持ちの持ちようだけでは治らない』と理解を促すことが重要」とした上で、「保護者、教員がODを十分に理解し、全体で子供を見守る体制を整えて、子供の心理的ストレスを軽減することが最も重要」とまとめている。

◇起立性調節障害

薬による治療が有効で、水分や塩分をしっかり取ったり、規則的な生活を送ったりすることで症状が軽くなる場合もある。うつ病や貧血などと間違われることがあり、河内医師によると、ODが疑われる場合でも他の病気ではないことを確認しなければならない。症状に個人差があるため、発症に気づかないまま自然に回復する子供もいる。