西洋医学との違いは?

西洋医学では、患者の症状を聞き、血液検査、尿検査、レントゲン検査などをおこない、糖尿病であるとか、肺炎であるといったふうにまず病名をつけ、その病気に対する治療を行ないます。

この治療はどの患者についてもほぼ同じ内容のものです。科学的な根拠に基づいた治療が多く、多くの方に効果がありますが、人間はひとりひとり体質が違うので治療に対する反応も異なり、今ひとつ症状が改善しない方も多く見受けられます。

また、様々な検査をおこなっても診断がつかない(病名がわからない)ことは日常診療上よくあることですが、この場合は西洋医学で治療することは困難です。

一方、漢方診療では薬を処方する際に、病名を決めるといった過程はありません。
患者の訴え、体格、肌の質、身体的診察(特に舌と腹の診察が重要)などから、体質や体の素地を判断し、その方に最も適した漢方薬を選択し処方します。

例えば、西洋医学ではアトピー性皮膚炎の患者様はどなたもほぼ同じ内容の治療(ステロイドの塗り薬、内服)を受けておられますが、漢方では体質や症状が異なれば、人によって全く違う薬が処方されることもあります。

この漢方の治療方式は近年、西洋医学で言われるオーダーメイド医療(個人個人にあったオーダーメイド的な治療を行なうこと)にも相通じるものがあります。

•心と体は一つである(心身一如:しんしんいちにょ)と考えること
心と体は一体のものであり、人体のあらゆる機能は心と体の相互作用によってなされると考えています。精神状態や感情の動きを病因として重視し、また、身体的な異常は精神活動に影響するとしています。

•全体的な診察・治療
病因・症状・体質・精神的な状態などを総合的に捉え、治療も全身的な調節に重きをおいて行います。東洋医学では、「病気をみるのではなく病人をみる。病気を治すのではなく病人を治す。」といわれています。

•診断即治療
病名診断ではなく、患者を全体的に捉え、得られた結果を「(しょう)」と表現し、治療方針を指し示します。この証に従って治療するため、「随証治療(ずいしょうちりょう)」とも呼ばれます。

•自然の薬草中心

•自然治癒力を高める